人間ドック・健診Q&A
基礎知識や施設選び・受診のコツ、検査結果の活かし方まで人間ドック・検診にまつわる、気になること、わからないことを集めました。
Q
オプション検査はたくさんつけるべき?
毎年健診を受けており、健康に気をつけたいので毎回いろんなオプションをつけることにしています。やはりオプションはたくさんつけたほうが、自分の健康状態がより詳しくわかるのですよね??
A人間ドックに限らず、検査結果は正しく活用してこそ価値があります。
せっかくの結果を、その後の健康管理に活用しないのでは、なんのために検査したのかわかりません。しかし一方で、細かい数値だけに一喜一憂する必要もありません。
まず、人間ドックの結果を正しくとらえる方法をご紹介します。 受診施設によって、人間ドックの結果について説明の方法はさまざまです。正しく患者さんに伝わっていないために、その後の健康管理が適切に行われず、残念な結果になることも、少なくありません。
そこでまず、結果の読み取り方を正しく知っておきましょう。
画像診断のように、形態上の所見がはっきり見える検査は別として、血液や尿などの検査の基準値はどのように決められているのかというと、多くは健康な集団の平均値と偏差値から求められた、統計的な数値です。
さらに、症状が起きて病院を受診したときの診断基準は、各学会等のガイドラインで数値が決められています。しかし、人間ドックや健診の基準値となる数値は、これとは異なります。
基準値から外れていればすべて「異常」というわけでもなく、外れている人の中には実際に問題がある人もいるでしょうが、問題のない人も多いのです。また、人間ドックや健診などでは、検査項目の数が増えるほど「異常あり」が増えることは医学の統計学では以前から報告されています。
健診などの基準値は偏差値で処理しますが、偏差値では上下各2.5%は基準から外れている(=異常値)と考えます。ですから、仮に健康な集団でも5%の人は「基準外」となるのです。
各項目でそれぞれ5%が基準外ですから、検査項目の数が増えるほど異常値をもつ人が増えることになります
本来は、項目により重要度が異なりますが、現在は基準値から外れると一律「異常」とされてしまいます。それぞれの項目についての重み付けということも今後の課題と思われます。
前述の治療のためのガイドラインの基準でも、「正常」「境界」「病気」などの分け方に、医師の中でも意見が一致しないことが少なくありません。さらに、新しい臨床研究の結果によっても変わっていきます。
だからといって無視してよいというわけではありません。しかし検査数値を絶対視しない、ほんのちょっと基準を外れた数値に一喜一憂しないことも大切です。
せっかくの結果を、その後の健康管理に活用しないのでは、なんのために検査したのかわかりません。しかし一方で、細かい数値だけに一喜一憂する必要もありません。
まず、人間ドックの結果を正しくとらえる方法をご紹介します。 受診施設によって、人間ドックの結果について説明の方法はさまざまです。正しく患者さんに伝わっていないために、その後の健康管理が適切に行われず、残念な結果になることも、少なくありません。
そこでまず、結果の読み取り方を正しく知っておきましょう。
画像診断のように、形態上の所見がはっきり見える検査は別として、血液や尿などの検査の基準値はどのように決められているのかというと、多くは健康な集団の平均値と偏差値から求められた、統計的な数値です。
さらに、症状が起きて病院を受診したときの診断基準は、各学会等のガイドラインで数値が決められています。しかし、人間ドックや健診の基準値となる数値は、これとは異なります。
基準値から外れていればすべて「異常」というわけでもなく、外れている人の中には実際に問題がある人もいるでしょうが、問題のない人も多いのです。また、人間ドックや健診などでは、検査項目の数が増えるほど「異常あり」が増えることは医学の統計学では以前から報告されています。
健診などの基準値は偏差値で処理しますが、偏差値では上下各2.5%は基準から外れている(=異常値)と考えます。ですから、仮に健康な集団でも5%の人は「基準外」となるのです。
各項目でそれぞれ5%が基準外ですから、検査項目の数が増えるほど異常値をもつ人が増えることになります
本来は、項目により重要度が異なりますが、現在は基準値から外れると一律「異常」とされてしまいます。それぞれの項目についての重み付けということも今後の課題と思われます。
前述の治療のためのガイドラインの基準でも、「正常」「境界」「病気」などの分け方に、医師の中でも意見が一致しないことが少なくありません。さらに、新しい臨床研究の結果によっても変わっていきます。
だからといって無視してよいというわけではありません。しかし検査数値を絶対視しない、ほんのちょっと基準を外れた数値に一喜一憂しないことも大切です。
Q
人間ドック施設の選び方のコツは?
人間ドックを受けたいのですが、施設がたくさんあり、どこで受けるかを選ぶのに一苦労です。自分に合う人間ドックの施設を選ぶポイントがあれば教えてください?
Aどんな医療機関で人間ドックを受けたらよいのか。これも受診者を悩ます問題でしょう。多くの人は、自分が加入している健康保険の主体(健保組合や政府、自治体など)が選んだ施設のうちから、家に近い、行きやすい、評判がよいなどの理由で選んでいるのではないでしょうか。
人間ドックを行う施設には、必要な設備や機器があり、優秀な検査スタッフがそろっていて、検査の精度が高く、重大な病気をいち早く発見して、見落としがなく、病気が発見されても最も理想的な病院・医師を紹介してもらえることなどが望まれます。
また画像診断では、それを読み解く力のある医師がいるかどうかも大きな問題です。例えばマンモグラフィは読影技術のレベルを認定する資格があり、A級の能力を持つ専門職がその病院にいるかどうかがポイントになります。事前に問い合わせたり、インターネットで探すことも可能です。
さらに画像診断は、一般的には見落としを防ぐためにダブルチェックをしているところが多いのですが、ベテランスタッフ1名の体制と、極めて経験の浅いスタッフのダブルチェック体制では、どちらも問題があることになります。
つまり、自分が受診しようとしている施設がどのような水準にあるのかを、一般の人が詳しく調べることは、非常に難しいのです。
判断する方法の一つとして、人間ドックを行う施設の機能評価を行っている「人間ドック学会」の評価をインターネットなどで調べることができます。しかしこの評価は始まってまだ新しく、施設の側から応募して受ける仕組みのため、評価を受けていなくても、優れた健診を実施している所も多くあります。ですから、これだけで判断することもできません。
一般の人が自分の力で人間ドックの良し悪しを確かめるためには、やはり一度受診してみる必要があります。その場合にも、ほかの施設と比べた検査の精度などはわかりにくいのですが、ドックに取り組む施設の姿勢や考えは、次のようなポイントから知ることができます。
人間ドックを行う施設には、必要な設備や機器があり、優秀な検査スタッフがそろっていて、検査の精度が高く、重大な病気をいち早く発見して、見落としがなく、病気が発見されても最も理想的な病院・医師を紹介してもらえることなどが望まれます。
また画像診断では、それを読み解く力のある医師がいるかどうかも大きな問題です。例えばマンモグラフィは読影技術のレベルを認定する資格があり、A級の能力を持つ専門職がその病院にいるかどうかがポイントになります。事前に問い合わせたり、インターネットで探すことも可能です。
さらに画像診断は、一般的には見落としを防ぐためにダブルチェックをしているところが多いのですが、ベテランスタッフ1名の体制と、極めて経験の浅いスタッフのダブルチェック体制では、どちらも問題があることになります。
つまり、自分が受診しようとしている施設がどのような水準にあるのかを、一般の人が詳しく調べることは、非常に難しいのです。
判断する方法の一つとして、人間ドックを行う施設の機能評価を行っている「人間ドック学会」の評価をインターネットなどで調べることができます。しかしこの評価は始まってまだ新しく、施設の側から応募して受ける仕組みのため、評価を受けていなくても、優れた健診を実施している所も多くあります。ですから、これだけで判断することもできません。
一般の人が自分の力で人間ドックの良し悪しを確かめるためには、やはり一度受診してみる必要があります。その場合にも、ほかの施設と比べた検査の精度などはわかりにくいのですが、ドックに取り組む施設の姿勢や考えは、次のようなポイントから知ることができます。
Q
脳ドックの施設選びについて教えて
脳ドックに興味があるのですが、高価なイメージがあり、施設によって検査項目がバラバラで選べません。脳ドック費用の相場があれば教えてください。また、施設は何を基準に選べばよいでしょうか。?
A脳ドックは、内科、神経内科、脳神経外科などの医師が常勤し脳ドックの設備があることを掲げている病院や、一部の人間ドック施設などで受けられます。費用は大体5万~10万円程度です。
日本脳ドック学会のガイドラインでは、脳ドックの検査は、
●問診(病歴・家族歴など)
●診察(聴診・血圧検査・簡単な知能検査など)
●血液・尿・生化学検査
●心電図
●頭部のMRI
●頭部と頸部のMRA
を含んでいるべきとしています。脳ドックを選ぶときは、少なくともこれらの項目を含んでいることを確認しましょう。
人間ドックと一緒に脳ドックを受けるときは、血液検査や心電図の検査などは省けることもあります。
施設によっては、CT検査や頸部の超音波検査なども行うことがあります。ただ「CT検査だけでMRI検査は行わない」という脳ドックは今や不十分と言わざるを得ないでしょう。
「脳に異常がありますが、放っておいてよいものか、どちらともいえませんね」というような不十分な説明のために、検査を受けた人がかえって不安を強くすることがあります。
そんなときは、ほかの病院のセカンドオピニオン外来を訪ねるか、他院の外来を受診してください。
その場合、脳ドックで撮ったMRIなどの検査写真を必ず借りてください。必要がないのに再検査を受けることは、医療費の無駄遣いになります。検査写真は有料でコピーしてもらうこともできます。
微妙な問題を含む結果について、面接で適切な指導をしてくれる施設を選ぶことが、大切です。
なお心臓にペースメーカーが入っていたり、骨折などで体内に金属が入っている人は、主治医に相談して検査が可能かどうか確認してください。
日本脳ドック学会のガイドラインでは、脳ドックの検査は、
●問診(病歴・家族歴など)
●診察(聴診・血圧検査・簡単な知能検査など)
●血液・尿・生化学検査
●心電図
●頭部のMRI
●頭部と頸部のMRA
を含んでいるべきとしています。脳ドックを選ぶときは、少なくともこれらの項目を含んでいることを確認しましょう。
人間ドックと一緒に脳ドックを受けるときは、血液検査や心電図の検査などは省けることもあります。
施設によっては、CT検査や頸部の超音波検査なども行うことがあります。ただ「CT検査だけでMRI検査は行わない」という脳ドックは今や不十分と言わざるを得ないでしょう。
「脳に異常がありますが、放っておいてよいものか、どちらともいえませんね」というような不十分な説明のために、検査を受けた人がかえって不安を強くすることがあります。
そんなときは、ほかの病院のセカンドオピニオン外来を訪ねるか、他院の外来を受診してください。
その場合、脳ドックで撮ったMRIなどの検査写真を必ず借りてください。必要がないのに再検査を受けることは、医療費の無駄遣いになります。検査写真は有料でコピーしてもらうこともできます。
微妙な問題を含む結果について、面接で適切な指導をしてくれる施設を選ぶことが、大切です。
なお心臓にペースメーカーが入っていたり、骨折などで体内に金属が入っている人は、主治医に相談して検査が可能かどうか確認してください。
Q
被ばく量が少ないCT検査ってありますか?
CT検査はどれも被爆量が多いようですが、被ばく量の少ない機械ってあるのでしょうか?
A従来のCT装置では撮影時間が長くかかった分、被ばく量も多かったのですが、MDCTという多列検出器CTでは、X線を受ける検出器が1列から16列や64列などに増えたため、一度にまとめて画像を撮影をすることができ、検査時間も短く、被ばく量も少なくてすみます。精密な画像が必要とされる肺がんの検査などに用いられています。
Q
子宮頸がん検査と子宮体がん検査の違いは?
子宮頸がんの検査は受けたのですが、子宮体がんの検査は受けなくてもいいのですか?
A子宮頸がんの検査は、子宮の入り口の細胞を採取するだけなので、検査の痛みがほとんどないうえに、精度も高く、保険適応も受けられる一般的な検査です。しかし、子宮体がんは、子宮の深いところまで検査をするので、出血がやや多く、痛みも伴い、精度も落ちるため、子宮体がんが疑われる人に限って行うのが一般的です。子宮体がんの検査については、婦人科の医師にきちんと相談して、ある程度診断がついた場合に受けるようにしましょう。
Q
価格が高いほうが検査の精度も高いの?
同じような内容の場合、価格が高いと、検査の質や精度も高いのでしょうか? 高いのを選ぶべき?
A医師、看護師、保健師、臨床検査技師、診療放射線技師、その他の専門知識を有する専門職や誘導してくれる事務職など、人間ドック・検診にはさまざまなスタッフの人件費が必要です。そのため多少高くなっている施設もあるでしょうが、価格が高いからといって検査精度も高いとはいえません。どんな理由から高価格に設定されているのか、検査内容や読影体制、医師、スタッフの数などを調べ、納得した上で申し込みましょう。
Q
同じような検査内容なのに施設によって価格に差があるのはなぜ?
人間ドックって、同じようなメニューでも価格がバラバラですが、何が違うのでしょうか?
A基本的に、人間ドックは健康な人の健康診断であり、自由診療となっています。保険診療であり、病気を治療する「医療」とは違います。
人間ドックは自由診療ですので、施設で料金を自由に設定できるのです。そのために、各施設で価格差が生じています。
また、医師、看護師、保健師などのスタッフの数も施設によって違いますし、地域差や立地など、その施設の状況により価格差に影響があると思われます。
さらに、各施設ごとに「婦人科検診」など同じメニュー名であっても、内容を比べてみると、検査項目が違う場合もあります。そのあたりも価格差が生じる原因といえるでしょう。
人間ドックは自由診療ですので、施設で料金を自由に設定できるのです。そのために、各施設で価格差が生じています。
また、医師、看護師、保健師などのスタッフの数も施設によって違いますし、地域差や立地など、その施設の状況により価格差に影響があると思われます。
さらに、各施設ごとに「婦人科検診」など同じメニュー名であっても、内容を比べてみると、検査項目が違う場合もあります。そのあたりも価格差が生じる原因といえるでしょう。
Q
自分に必要なオプション検査の選び方を教えて
人間ドックの受診って、コースを選んだほうがいいの? オプションは何を組み合わせるの?
A初めて人間ドックを受けるときは、まず基本コースを選び、自身の体について気になるところがあれば、その検査ができるオプションを選択して加えればいいと思います。一般的なオプションとしては、高血圧、糖尿病など動脈硬化性の疾患がある人は動脈硬化関連の検査、50歳以上の人であれば脳やがんの関連、例えば大腸、肺、前立腺、乳房などの検査を受けることをおすすめします。
受診者の中には、毎年基本コースに自分が気になるオプションを一つか二つ追加して、5年くらいですべてのオプション検査を受ける方も少なくないようです。ただし、基本コースは必ず受診して、その上でオプションを追加することをおすすめします。また、受診する施設に相談をすると、日頃の体調や気になっていることなどを元に、一緒にオプション検査を選んでくれる場合もあります。
受診者の中には、毎年基本コースに自分が気になるオプションを一つか二つ追加して、5年くらいですべてのオプション検査を受ける方も少なくないようです。ただし、基本コースは必ず受診して、その上でオプションを追加することをおすすめします。また、受診する施設に相談をすると、日頃の体調や気になっていることなどを元に、一緒にオプション検査を選んでくれる場合もあります。
Q
自分に合った施設の選び方を教えて
人間ドックや検診施設にもいろいろあって、どこで受けたらいいのかわからない。どうやって施設を選ぶといいの?
A自分に合った施設をどう選んだらいいかは、難しい質問です。最新の設備が揃っている、スタッフの方々の対応がいい、自宅から近いなどそれぞれ求める要件が違いますし、施設から提供される情報にも限界があります。
自身が何を求めているかによって選び方も違ってくると思います。例えば、全般的な健康チェックをしたいなどの場合は、自宅から近いところで人間ドックを専門に実施している施設を選ぶといいでしょう。また、脳や心臓、肺などをチェックして欲しいときは、オプション検査がある施設、さらに、生活習慣の改善指導をしてほしいなどといった場合は、保健指導に力を入れている施設が望ましいでしょう。 人間の顔が違うように、施設も一つひとつ違いますので、受診する前にドックの内容や具体的な説明方法などを聞いてから選ぶことも重要ですね。
自身が何を求めているかによって選び方も違ってくると思います。例えば、全般的な健康チェックをしたいなどの場合は、自宅から近いところで人間ドックを専門に実施している施設を選ぶといいでしょう。また、脳や心臓、肺などをチェックして欲しいときは、オプション検査がある施設、さらに、生活習慣の改善指導をしてほしいなどといった場合は、保健指導に力を入れている施設が望ましいでしょう。 人間の顔が違うように、施設も一つひとつ違いますので、受診する前にドックの内容や具体的な説明方法などを聞いてから選ぶことも重要ですね。